一番近い駅は神楽坂である。が、場所的には矢来通りである。見ての通りの風情のある構え。
下の写真のごとく、入口左脇に石臼の半分が置いてあり、店内には一対のもうひとつが置いてあった。 店内からよく見えるところに打ち場があり、大きく深く、見るからに立派な木鉢が光る。 その奥に現役の石臼が置いてあった。 せいろを頂いた。長方形のせいろにまずますの量。切り幅がかなりランダムないかにも「手打ち」という感じのそば。 |
色は極めてオーソドックスなそば粉色。
風味は特に強くはないが、水は悪くないので、麺だけでどんどん食べることができる。 コシはかなり強い、というより麺自体がちょっと「硬い」という感じか。 「コシが強い」と「硬い」は何が違うかと言われてもちょっと困るが、麺に歯が食い込みながらも噛み切るのにそれなりの力が要るのがコシの強さ。歯を立てるのにも少し苦労があるのが、「硬さ」だろうか? ちなみに、吉祥寺「よしむら」あたりの麺はコシに加えて、すこし歯にくっつきそうな「粘り」もある。これも単なる「コシ」とは違うような気がする。 |
いずれにしても、かなり「硬め」の麺だが、つゆなしでどんどん食べ進めるだけの「味わい」がある。 さて、「つゆ」は正直言って弱いと感じた。出汁の風味はまずまずだが、せいろを待つ間、つゆだけを舌に載せてみたがその時点で「おやっ}と思った。 案の定、麺に絡む力はかなり弱い。ネギを載せてみても、ネギの香りにつゆ自体が負けてしまう。 もう少し辛目の「返し」でしっかりしたつゆに仕上げた方がこのザクッとした麺には合うような気がするのだが。 構えの風格、そば打ちに対する姿勢、どれをとってもなんとなく期待をそそられる雰囲気をふんだんに醸し出しているだけに、ちょっと惜しい気がするというのは言い過ぎだろうか? 新宿区天神町二番地 (地図は住所をクリック) 03-3267-5122 月 休 平日 11:30-21:00 日・祝 11:30-20:00 (但し、売切れじまい) |