見てのとおりの粋な構え。恵比寿駅から歩いてくると意外と分かりにくい場所にある。地図をじっくりみて見逃さないようにしたい。 このお店は「板そば」のお店であると同時に深夜営業でかつイケてる蕎麦を食べさせてくれるありがたいお店なのである。 店内はまずまずの広さだが、いつも |
とても混みあっている。お客の70%が若い男女のカップルか。そういう意味では深夜に独り蕎麦が食べたくなったからと言って、ブラっと独りで入るのには相当な勇気がいるし、多分混んでいてそう簡単に「食べたいときに美味しい板そば」と言う風には行かないところがちょっと寂しい。 さて、料理の方だが、酒も肴も一通り揃っておりいくつか一品料理を頼んだあと、板そばに行く。かなり大型の「板」=「木箱」にざっくり太めのお蕎麦が敷き詰められて出てくる。これがなかなかの勇姿である。この麺の大きな特徴は全くエッジ感がないことである。ほとんど「うどん」のような角なし感である。しかしそれを除けば、風味、コシとも充実しており、この手のお店にありがちな出汁が強烈に前面に出たつゆとのマッチングも悪くはない。 本場山形で「板」を試したことのない私にとって「板」のベンチマークは霞ヶ関(虎ノ門)「出羽香庵」である。あのむせ返るような蕎麦粉の香りを期待すると裏切られることになるが、それでも十分に楽しめる味だ。独りで入れるようにならないかな・・・。
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