このお店を紹介しているガイドブックが少ないのには何か理由があろうのだろうか? これも強烈なお店である。立川駅の北側、分かりにくい住宅街の中にある。 幅員3mもないかと思われるような路地を入っていったところである。 一旦、この暖簾を潜るとそこは別世界である。なんという空間であろうか。瓦を重ねた断面が覗く土壁。渋い日本家具。座敷もあればテーブル席もある。和洋折衷ではあるが、独特の落ち着いた空間 |
がそこにはある。 そして、静かに流れるジャズ。それも、子供がそこに出しっぱなしにしたおもちゃが乱雑に並んでいるかのようアンプやプレヤーが雑然と置いてある(ように見える)。ほの暗い店内で目を凝らすとその台の下が大きなスピーカーであった。 民家・ジャズ・そば。南青山のデザ・レス系のにわか造りの内装ではない。それはそれはほんものの凝りかたであり、ご主人の「イーゴ(ego)」がそのまま形となって現出したような空間である。 |
内部の写真を撮る勇気はなかった。この落ち着いた空間はフラッシュを焚いても決して表現できないし、他のお客さんにも迷惑なだけだからだ。 さてそばである。一茶庵系である。「せいろ生粉打ち」を頂いた。豊かなそばの香りと、抜群の舌・口さわり。切り口のエッジ感も素晴らしい。清冽この上ないそばである。全く「つゆ」を必要としない。 その「つゆ」も素晴らしい。香り豊かながら、しっかりと力強い。そばの風味を殺すことなく、きっちりと麺に絡む。 ただ、この素晴らしい空間を楽しみ、料理を堪能するためにはやはり立川に住みしかないか・・・。 とにかく、行ける人は絶対にいくべし。 東京都立川市曙町1-28-5 042-524-0512 (地図は住所をクリック) 日休 11:30-14:30 17:00-21:00 (夜は要予約) |