芝増上寺の門前、大門の交差点近くにある。ご覧のとおりの立派な構え。 角には下のような碑まである。店内の由来書によると、寛政三年(1782年)、信州の布屋萬吉が領主保科兵部少輔の助言に従い、反物商から蕎麦屋に転向。東日本橋薬研堀に「信州更科蕎麦処」を開店。芝の大門では大正2年から営業しているとのこと。 碑には寛政三年に当店が発祥したことが記されている。 |
店内は広く、蕎麦屋らしい風情。2階席もあり、当日は団体が入っていて、繁盛していた。増上寺などでの仏事の後はこういうところで一杯やりながら蕎麦をいただくというのはなかなかの趣向であろう。 さて、菊正宗の樽酒を竹の筒でいただいた。これはなかなか行ける。おまけに樽酒→竹筒→枡というプロセスなので、なんというか香ばしい香りが酒に移って、それだけでもうっとりしてしまう。 写真の板わさをいただいたが、なかなかのプレゼン。山葵だけでなく、「山葵漬け」がかまぼこに挟んであったりして、なかなかの気配り。 その後「天ヌキ」を頂いた。出てきた天ぷらが海老天だったので、実はかき揚を想像していた庵主としてはちょっぴりがっかりだったが、つゆが良かった。 正直かなりの関西風のだしである。極めてまろやかな「甘汁」ながらもしっかりとした味わいがある。 |
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最後に辛味大根そばをいただいた。まず麺は少々がっかりするほどコシがない。多分機械打ちだと思うが、この時期でもあり、そば粉の風味もあまり感じられなかった。生粉打ちもあるので、こんどはそっちにしてみたい。 つゆも甘汁にはいいが、「つけ」の辛汁としは自ずと弱い。 |
しかし、お花番のサービスはとてもよく、店内も明るい雰囲気。きっと酒と肴と「かけ」系をいただくぶんにはいいのではないかと思う。 また、月変わりの「変わりそば」もありこれもいただいてみたい。 こんなお店が近くにあればいいなと思える雰囲気のあるお店である。 港区芝大門1-15-8 03-3436-3647 (地図は住所をクリック) 日曜 休み 11:00-21:00 (土・祝は -20:00) |