去年の暮れ近くにオープンした新しいお店。山梨長坂「翁」の高橋邦弘氏(もうそろそろ広島「達磨」に移られて活動を開始される頃と思うが・・・)のお弟子さんが、「翁」の文字戴いて開いたお店だ。 もりを頂いた。綺麗にそろったきり幅は太過ぎず、細過ぎず、正にちょうどいい幅。コシも強く、エッジ感もシャープで色は薄いクリーム色。浅いざるに盛られた姿も美しい。二八の「せいろ」あるいは「もり」とはかくあるべしという風情である。 つゆは、これも翁風で、鰹出汁が効いているものの、返しがやや弱く強烈な芳香を発する麺に負けているような気がした。 せいろの後、田舎で辛味大根のおろしそばをいただいた。大根の辛味は十分。田舎は野太く濃い目の色がいかにも「田舎」という感じである。高橋氏の打たれる田舎を食したことのない庵主としては、これが高橋流なのかは分からない。 |
いずれにしてもこのお店は正統派の「翁」という感じである。店内には高橋邦弘氏の座右の銘である「上求菩提 下化衆生(じょうぐぼだい げけしゅじょう)」(「自分自身は上に向かって完成を目指し、後に続く者には指導の心を持つ」の意とのこと)の額が掲げられている。 周囲がいたるところで工事中で少しアクセスが悪くなっているのが、ちょっとお気の毒である。写真でもお分かりのとおり、つつじのきれいな歩道に面したこじんまりとしたお店である。看板の「しながわ翁」の字がまぶしい。 若い主人が一生懸命がんばっておられる姿が爽やかなお店である。 品川区北品川1-8-14 03-3471-0967 (地図は左の住所をクリック) 日曜休 11:30-15:00 17:30-20:30 |