私のそば三昧のベンチマークともいうべきそば屋である。太くてこしの強い田舎風のそばと、同じくこしのあるうどんとの「合い盛り」に、「けんちん汁」を付ける「合い盛りけんちん」が定番である。つゆは「志な乃」という名の店に共通する、透明で澄んだものである。江戸のそば屋の大多数で供される基本的にはしょうゆ中心の辛汁とは一線を画する薄口のつゆである。 実に不思議である。「志な乃」以外で、この場で言及する店の全てはいわゆる江戸のそば屋で、本がえし、生がえし等の違いこそあれ、基本は上で述べたような辛汁を供するそば屋である。 |
自分自身が打つそばに添えられるのも正に江戸前の辛汁である。しかしながら、どこまでいっても私にとってのそば屋のベンチマークでありそばに対する興味のルーツはこの店なのである。それはこのお店のご主人と奥様のお人柄のせいかもしれない。私はこのお二人に深く帰依している。
港区西新橋2-31-8 (地図は住所をクリック) 03-3431-3663 |