南長崎「休屋」 住所・地図等へ   全店一覧へ

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  一言で素晴らしい。ちょっと注意しながら歩いていても容易に見逃してしまいそうなぐらい狭くて地味な入り口ではあるが、引き戸をガラッと開けてひとたび中にはいると何とも言えない暖かな「気」がこもっているような、そんなお店である。
    左手の小上がり座敷の壁には大きな柱時計が3基。その向かいがカウンターになっているのだが、またこのカウンターが不思議な造りで、ひとりひとりのスペースが切れているのである。つまり実はカウンターではなく、一人用の高いテーブルが隙間を開けずに並べてあるのだ。
   そばはかなり緑色をしている。歯ざわりはぐっと硬め。太すぎず、細すぎず。ご主人ご自慢の手間暇かけたつゆと相俟って素晴らしい蕎麦である。
   他のお客さんは「あゆそば」を食べていた。あゆの甘露煮がきっとたまらなく暖かいそばに合うのであろう。
   ところで、カウンターの中ではご店主が「次せいろとかも南2丁いくよ!」と掛け声をかけながら茹でに入る。そして茹であがるとまた「せいろ・かも南いくよ。まずせいろ!」と細かい指差し確認の連続でてきぱきと注文をこなしていく姿がとても印象的であった。この店構えといい、その仕事ぶりといいご店主の人生そのものとの印象を受けた。深く感銘を受けた。ちなみにこのお店は長坂「翁」の高橋邦弘 氏が長坂に移った後だということを聞いたが本当なのか?

▽本当なのか?なんて、本当に決まっている。久しぶりに読み返してみた。今となってはこのお店がかつての名店「翁」であることは常識中の常識である。でも興味深いのは上で庵主が感銘を受けた独自構造のカウンターについて高橋氏もご自身の著書の中で、これは自慢のカウンターで、いずれは返してもらう約束と書いておられることだ。まあ、それだけユニークだということか。

豊島区南長崎1-3-4 (地図は住所をクリック)  03-3951-6319
<休み>水曜、第3木曜 <営業時間>11:30-14:30

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