新橋「竹邑庵太郎敦盛」    住所・地図等へ     全店一覧へ

「ちくゆうあんたろうのあつもり」と読む。「ガラッ」と引き戸を開いた瞬間、「アレッ?」。いきなり座敷である。ちゃぶ台がいっぱい置いてある。夜伺ったが結構混んでいてみんな楽しそうに飲んでいた。つまみ類も充実していて「白あえ」「湯葉の刺身」「おくら」などやっぱり本店は京都だけあってそんな感じのものが続く。みそ田楽は時間がかかると言われたので頼めなかったが、旨そうであった。特に「おくら」は粘り気たっぷりのおくらの刻みにだし+かつお節とい
  うシンプルな一品ながらとても美味しかった。
  さて、お目当ての「敦盛(熱もり)」君。味噌汁のお椀にまず生卵を割ってその上に山盛りの「刻みネギ」。これが「薬味」なのだが、既にそのお椀が「そば猪口」の役割を担っている。これを「秘伝のタレ」をドボドボと入れてかき混ぜる。これで準備完了。待つことしばし。ふた付きの蒸篭(本当のせいろ)をパッとあけると普通なら3人前はあろうかという量の真っ黒なそばが湯気と共に現れた。さっきのネギ沼に入れて食べるのだ。つゆは真っ黒だが意外と甘い。それが玉子と混じり、ねぎと混じってなかなかの味。湯島の古式蕎麦といい勝負の黒さ。でもこっちのそばにはざらざら感がある。それでいてヌチャヌチャ。量はたっぷりあるので、お腹一杯の人は皿そばにしておいた方がよいかも。皿そばは 30cm×20cm×15cmぐらいの木箱に小皿が詰まったのを持ってきてくれる。同じようにネギ沼で食べるのだが、敦盛君よりはさっぱりしてそうであった。(2000.4.9)

▽久しぶりに伺った。相変わらずの不思議空間である。でも前回と違い心の準備が出来ている分落着いて店に入ることができた。
  今回は冷たい「皿そば」に焦点を絞った。白磁の小皿に真っ黒でかつ断面が多分円形であろう(つまりスパゲッティのように。ついでに1.9mmのスパゲッティを黒くしたような感じ)と思われる麺が「ぬたり」と盛られている。これが5枚出てくる。先に出された薬味は上で書いたのと同じ。汁椀に山と盛られたネギ。玉子。それに今回はとろろと山葵はちょっと入っていたが、これに巨大は花瓶がごとくのトックリに入った真っ黒なタレを注いで、「ヌチャヌチャ」と混ぜる。そこへ黒い麺を絡めて食べる。外見とはうって変わったナントも名状しがたい美味しさである。この「優しい」美味しさは食べて見ていただく以外には説明できない。不思議空間で頂く、珍妙なるも優しい美味しさの黒い蕎麦。ぜひお験しあれ!(2001.4)

港区新橋3-15-6 村上ビル1F (地図は住所をクリック) 03-5473-8803
<休み>日曜、祝日 <営業時間>11:00-22:00

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