遥々やって来たという感じ。場所も分かりにくい。しかし、答えは「苦労して来た甲斐があった」である。写真左ののれんを潜って、2階に上がる。このアプローチが非常に凝っている。単に店主の「凝り性」が表れている言えばそれまでで、それが「そば屋」に必要な要素かどうかは分からない。でも、店主が「自分の思うとおりの店を作りたかった」という気持ちは |
この外観と1階から2階に至るアプローチを進んでいくほんの30秒くらいのうちにとてもよく伝わってくる。そしてそのことが同時にご店主が「そばの味」にもそれ以上のこだわりを持っていることは容易に想像がつく。 さて、麺はやはり想像通り、いや遥かにそれ以上の素晴らしさである。この手の都心はずしの新鋭の名店(鞍馬、吉法師、夢呆、織田など)は全てそう だが、麺の出来映えは一言で清冽。しかし、私はこの吟八亭のそれを随一と賞したい。細切りで少し田舎っぽい色とそば粉の粒子。見た目もいかにも美味しいそうである。そして、風味がとりわけ豊かで舌触り、歯当たり、のど越しどれを取っても究極の清々しさがある。せいろ1枚迷うことなく、「つゆなし」で口一杯に広がるそばの風味を堪能しながら食べ切ってしまうことができる。麺の卓越した素晴らしさに比べるとつゆはやや平凡な気がしたが、私好みの風味豊かなやや淡口の素晴らしいものである。 遠いが、ぜひお訪ねられることをお勧めする。 葛飾区亀有1-27-8
(地図は住所をクリック) 03-3690-8228 |